「怒るのは無益だから他のことにエネルギー使った方が良い」と言う人がいました。
私は怒ることすべてが無益ではないと考えています。
このことについて解説しようとおもいます。
怒りは2種類ある
まず、怒りにはホンモノの怒りとニセモノの怒りがあります。
どういうことかというと・・・
・ホンモノの怒りは感じることで自分の内面に変化が起き、現状を変える力になります。
・ニセモノの怒りはいくら感じても現状は何も変わりません。
ホンモノの怒りは有益で、ニセモノの怒りは無益?と思ったかもしれません。
「怒るのは無益だから他のことにエネルギー使った方が良い」と言う人は、おそらくニセモノの怒りばかり使って、現状が変わらないことにイライラしているんじゃないかと思います。
では、「どういうものがホンモノの怒りで、何がニセモノなの」という疑問が出てくると思います。
「こういうのがホンモノで、こんなのがニセモノ」
という一般則はなく、個人個人で違います。
そのため、自分自身に対してホンモノかニセモノか確認しなければなりません。
最もわかりやすい方法は、自分で言ってみることです。
例えば、イライラしているときに
「私は怒ってる」
「私は腹が立つ」
「私はムカついてる」
そう口に出して言ってみてください。
なんだか「これだ」って言う感じしませんか?
「これだ」って感じるとき、あなたが感じているのはホンモノの怒りです。
逆に「うーん」って思ったら、ニセモノの怒りかもしれません。
言葉はいろいろありますが、自分にとって怒りを表現する言葉を選んでみてください。
おすすめは「私は腹が立つ」です。
怒っているとかムカついてるというよりは、腹が立つという方が、自分の体を意識するため、自分の体が反応しやすいんです。
怒りを含めて、感情は私達の体で感じます。
そのため、体に意識を向けたほうが、自分が感じている感情がわかりやすくなります。
これが最もわかりやすいホンモノの怒りとニセモノの怒りを見分ける方法です。
また、私の体験からすると、自分が主語になるときはホンモノの怒りの場合が多いです。
例えば「私はこうしてほしい」とか「私はあなたが〜するのをやめてほしい」とか言うときはホンモノの怒りだったときが多いです。
逆に、「あの人が悪いんだ」とか、「アイツのせいだ」とか言うように他人を責めたくなっているときはニセモノの怒りの場合が多いです。
怒りの目的
もともと、怒りとは自分の大切なものを守るための感情です。
自分と他者との間に境界線を引き、「ここからは私だ」と主張するための力です。
「自分は大切な存在なんだ!」と一歩踏み出すために大自然が与えてくれたエネルギーです。
ホンモノの怒りは自分や自分の大切なものを傷つけようとするものに対し、
「嫌だ!」
「やめろ!」
「No!」
と伝えて退けます。
そうやって自分や自分の大切なものを守るわけです。
ではニセモノの怒りは?という疑問が出てるくかもしれません。
実はニセモノの怒りは、
「怒りの下に隠している感情があるよ」
「隠している感情を感じないと現状は何も変わらないよ」
ということを教えてくれる感情です。
そのため、ニセモノの怒りはいくら怒ってもなくなりません。
ですが、ニセモノの怒りの下にあるホンモノの感情を感じると、目的が果たされてなくなります。
「こんな事になったのってあいつが悪いんだ!ちっくしょームカつく。大体あいつはやる気がないし質問もしてこない。だから任せたのに、まさかなんにもしてないなんてな!」
っていうふうにブリブリ怒り続けている人がいました。
この人はオフィスで、自宅で、場所を変え聞いてくれる相手を変えてブリブリ怒り続けてます。
ですが一向に気分は晴れません。
でもある時気づきました。
「あいつが何も聞いてこなかった。自分を頼ってくれなかったことが悲しい」
それから数分間その悲しみを感じたのです。
その後はあんなにブリブリしていた怒りはすっかりなくなり、「じゃあどうしようか」と次の手を考えられるようになっていました。
この人にとって怒りはその下に隠れている悲しみを教えてくれるものでした。
実は無益な怒りなんてないんですね。
怒りを含めて、すべての感情は意味があり、有益なものです。
逆に腹が立っているのに「怒りは無益だから怒らないようにしよ」とか言ってなかったことにしようとすると、体に悪影響が出るし、現状は何も変わりません。
怒っているならしっかり怒る。すると目的を果たした怒りはなくなります。
いつまでも怒りがなくならないときは、怒りの下にある感情を探してみてください。
無益な怒りなんてありません。
そして、ホンモノの怒りを感じることで、自分の内面に変化が起きます。
すると相手が変わらなくても現状は変わっちゃうんですね。
なにか問題が起きたとき、変えられるのは自分自身だけです。
ホンモノの感情を感じ、そのエネルギーでより良い自分になりましょう。